体力的にも精神的にも疲れた、ある日の帰り道。
こんな日は美味い飯と美味い酒で垢落としをするに限る。そんな事を考えていた矢先、友人より飲みの誘いのメールが届いた。

友「何が食べたい?」
俺「肉!」
友「高くて良いなら立川に良い店があるぜ」

この友人もなかなかの食通である。疲れている時に立川まで出向くのは少々骨に思えたが、彼がそう言うのであれば、それ相当の店なのであろう。

50分後、案内された先にあった店は松剛という、外観の時点で洗練された焼肉屋さん。

ぐるなび - 厳選和牛焼肉 松剛 立川店
http://r.gnavi.co.jp/p592600/

メニューのページを見れば判ると思うが、決してお安い店ではない。稀少部位のミスジ2500円!ロース芯2900円。安い店なら一品だけでへべれけになれるお値段である。
しかし、今日はいい。散財してしまおう!という事で稀少部位も構わず注文した。それで出てきたのがこのお肉である。

kisyoukarubi

左がミスジとロース芯。右が上カルビ。この見事なさしの入り様。こんなの実物ので見るのは初めてだ。とりあえず、タンスジから順に焼いていく。

tansuji

上質な肉というのは噛まなくても口の中でトロける、という話を聞いた事があるが、それを初めて体験した。カルビはもちろん、ロースでも見事な脂の乗り様で、口の中に入れた瞬間じゅわぁっと溶けて少し噛むだけで口の中に肉の旨味が広がる。

これは、今までに食べた肉とは全くの別物。今まで食べていた物が肉なら、これは肉どころの騒ぎではないし、これが肉であれば、今まで食べていた物は肉ではない。壁に飾られているフレーズの意味をはっきりと理解した。

doyouknow

「Do you know about "YAKINIKU"?(貴様は焼き肉を知っているのか?)」
すみません。僕は今まで焼き肉を知りませんでしたァー!
もうね、お肉の向こう側の世界を見ましたよ。桃源郷です。咀嚼している間、頭の中がずっとミスター味っ子になってるの。
「うー・まー・いー・ぞぉぉぉぉっつ!!」

それで、そんな極上の店だから、サンチュ(500円)も只ものではなかったりする。

santyu

サンチュの上に乗っている大葉のような物。最初は大葉だと思ったんだけど、食べてみると全然違って、もっと青臭い苦みがあるの。これがポイントで、この苦みが旨味成分のジャングルと化している肉の味を見事に受け止めるのだ。それに添付の味噌を付ける事で旨味のジャングルが更に奥深くなる。

正直、この日失敗したな、と思うのはビールの肴として、割と肉単体で食べてしまった事。肉だけだと脂の多さも手伝って、口が肉の旨味を受け止め切れないのだ。もっとサンチュもキムチもケチらずガンガン頼んで肉と一緒に口に入れた方がもっと楽しめたよなぁ。

むしろ、酒は二の次にして、白飯食べながらおかずに肉を食べ、箸休めにちょいちょいキムチを摘む、というのが一番この肉のポテンシャルを楽しめるような気もする。
それをやるのであれば、ビールは無駄に腹が膨れるからNG。初っぱなはウーロンハイぐらいにして(むしろ水でも良いかもしれない)、途中から梅酒のロックをちびちびやりながら食べるのがベストな気がする。

ちなみに、〆で食べた冷麺は期待外れ。不味い訳じゃないけど、決して値段に見合ったものではなないと感じた。友人が注文した白テールクッパは絶品だった。

会計は一人あたり9500円程。四文屋ホルモンなら3回飲みに行ける値段である。が、値段以上に楽しめた。

この日は、例の事件の煽りでユッケを出していなかったのが残念。友人曰く、絶品なのだそうな。そうそう頻繁に行ける店ではないが、1シーズンに一度くらいは訪れてみたい、そんな至極のお店でした。

やっぱ、疲れてる時は美味いもん喰うに限るね。